【2015/12/25追記】
Homebrewなら以下の過程を勝手にやってくれるのでおすすめ。
$ brew tap sanemat/font
$ brew install ricty
$ cp -f /usr/local/Cellar/ricty/バージョン/share/fonts/Ricty*.ttf ~/Library/Fonts/
$ fc-cache -vf
これだけです。
リクティと発音するらしいです。
Rictyは英字フォントと日本語フォントを合成したもので、固定幅フォントで半角全角がきっちりと区切られ、1とlとか0とOのような紛らわしい文字がでないよう設計されているそうです。プログラミングだけでなく、Webのコーディングに威力を発揮する便利フォントらしいです。
Rictyはライセンス違反の解釈がなされるとして、既存フォントとして存在できなくなりました。なので、生成スクリプトを使ってコンパイル?することになります。
単にスクリプト実行したらええやんと言うわけでもなく、ライセンス様のおかげで手順が非常に多くなってます。
作成した環境はMacBook Air 11inch, Mid2012、Mountain Lion 10.8.4です。
MacPortsのインストール
フォントのコンパイルにはfontforgeが必要です。しかしfontforgeは単なるアプリというわけではありません。インストールにはMacPortsもしくはHomebrewが必要となります。Mac版Yumとかapt-getみたいなもんですね。
今回の作業について、私はHomebrewではなくMacPortsを使いました。
- 「The MacPorts Project — Home」にアクセス
- 右上の「Download」をクリック
- 「Installing MacPorts」本文にある「Mountain Lion(使用しているMacのバージョン)」のリンクをクリックしてダウンロード(MacPorts-2.2.0-10.8-MountainLion.pkg)
- ダウンロードしたpkgを開いてインストール
このあとコンソールから「port」と打てば動作確認OKとなるのですが、エラーが出る場合があります。
Mac内にコマンドライン用ツールが入ってないことが原因なので、これを解決するにはXcodeを入れる必要があります。
- AppStoreからXcodeをインストール
- メニューの「Xcode」→「Preference」をクリック
- 「Downloads」タブをクリック
- 「Command Line Tools」横の「Install」ボタンをクリック
これでMacPortsが使えるようになります。
fontforgeのインストール
MacPortsが使えるのを確認できたら、次にfontforgeをインストールします。
$ sudo port install fontforge
これだけ。インストールが完了したら、「fontforge -version」と打って動作確認するわけですが、ここで「X11もインストールしてね!」と言われますので指示に従います。以前にX11をインストールした人は出ないと思います。
- 「アプリケーションからX11へのアクセスを要求され・・・」というメッセージが出たら「続ける」をクリック
- AppleのサイトにXQuartzへのリンクが提示されるので、それをクリック
- 「Quick Download」にある「XQuartz-2.7.4.dmg」をクリックしてダウンロード
- ダウンロードしたファイルをマウントし、「XQuartz.pkg」をインストール
- 再起動
XQuartzはX11と互換性のあるライブラリ群?で、以前はAppleがX11を配布していたのですが、Lionあたりから後継のXQuartzを推奨するようになったそうです。
念のため以下のコマンドを打ってちゃんとインストールされているか確認してください。
$ fontforge -version
Copyright (c) 2000-2012 by George Williams.
Executable based on sources from 14:57 GMT 31-Jul-2012-ML.
Library based on sources from 14:57 GMT 31-Jul-2012.
fontforge 20120731
libfontforge 20120731-ML
Rictyの生成とインストール
Rictyの生成には、スクリプトとInconsolata、Migu 1Mフォントという3つのファイルが必要となります。
まずは各ファイルのダウンロードから。
- 「yascentur/Ricty · GitHub」にアクセス
- 右側にある「Download ZIP」をクリックしてスクリプトをダウンロード(Ricty-3.2.2.zip)
- 「Inconsolata」にアクセス
- 「OpenType file」をクリックしてInconsolataフォントをダウンロード(Inconsolata.otf)
- 「Miguフォント : M+とIPAの合成フォント」にアクセス
- 「Migu 1M」右側にあるリンクをクリックしてダウンロード(migu-1m-20130617.zip)
- それぞれ解凍する
次にスクリプトを使ってRictyフォントを生成します。
- Inconsolata.otf、migu-1m-bold.ttf、migu-1m-regular.ttfをRictyのフォルダへ移動
- ターミナルでRictyフォルダに移動
「$ cd Downloads/Ricty-3.2.2」
- $ sh ricty_generator.sh Inconsolata.otf migu-1m-regular.ttf migu-1m-bold.ttf
- Ricty-Bold.ttf、Ricty-Regular.ttf、RictyDiscord-Bold.ttf、RictyDiscord-Regular.ttfができたのを確認
- それぞれを開いて「フォントをインストール」をクリック
これでRictyフォントの生成とインストールが完了しました。フォント一つにどんだけ時間かかってんだという感じです。
実は、姉妹フォントに「Ricty Diminished」というのがあって、これはフォントファイルとして配布されています。
なにが違うねんというと、Migu 1MではなくCircle M+ 1mを使用し、IPAフォントの一部を省いたものだそうで、使用できる漢字や記号が少ないのだそうです。
日本語を打つのが少なくて、プログラミング特化であればこのフォントでいいのかもしれません。ただ、Webの場合は文字があってナンボのところがあるので、無印Rictyを使うことになるでしょう。